薄切りのパン

En faire des tartines.

ミュージカル『レ・ミゼラブル』感想

2017年版『レ・ミゼラブル』が開幕して早いもので二ヶ月弱経ちました。今年は日本初演から30周年という記念すべき年で、個人的なことを言えば私が初めてレミゼを観劇してから12年です。これだけ長く上演できるって、本当にすごいことだなと改めて感じています。それから、数日前にプレビュー公演を観たと思っていたのに、もうマイ千穐楽を迎えてしまいました。本当にあっという間。

今回のレミゼはいくちゃんこと生田絵梨花さんのコゼットをメインに据えて観ると決めていたので、とりあえずマリウス役のお三方との組み合わせをすべて観たら任務終了。……の、はずだったけれどやっぱりまだ観たいという気持ちが残っているので、チケットを探そうと思っています。まあ一応、当初の目的は果たせたのでここで一度感想を書いておきます。
私が観劇したのは5/23、6/21、6/27のいずれもソワレです。

 

 

まず、何はさておきいくちゃんのコゼットから。
いくちゃんが更に歌唱力を上げてきている……!!!
最初の感想がこれです。ミュージカル女優としての生田絵梨花さんをはじめて拝見したのは今年の頭のロミジュリでした。ロミオ役の古川雄大さんとのコンビ萌えも手伝って、それ以来アイドルとしてのいくちゃんにも興味を持つほど大好きになってしまいました。長くなりそうなのでこれについてはまた改めて書きます。

とにかく、ロミジュリのときより更にうまくなっていて、歌とお芝居が以前ほど乖離していないように感じました。こんな書き方をすると何様だと思われるかもしれないですが、ロミジュリのときだって充分うまかったんです。でもやっぱり、「アイドルにしては」という枕詞がついちゃっていた。それが、ここにきてもう「生田絵梨花はミュージカル女優だ」と言っても何の問題もないくらい目覚ましい成長を遂げていました。いくちゃんおそるべし。

歌唱力について散々書きましたが、私がいくちゃんの登場シーンで一番好きなのは「ラブリィ・レディ」です。「あ、あ、いくちゃんがお顔作って娼婦やってる~!!!」と何故か興奮します。コゼットを演じているときとの振り幅がすごくて、普段アイドルをしている女の子のこんな場面(芝居とはいえ)見ていいのかとどぎまぎしつつオペラグラスはしっかり固定して、でも本人も楽しんでやっているのだろうなと思いながら、私自身も楽しんでいます。

 

いくちゃんコゼット×3人のマリウス
最初に観たのが田村マリウスとの組み合わせでした。あれ、私って田村マリウス初かもしれない?とよくよく思い出してみたら、2013年に何度か観てるみたいです。そんなに印象に残っていなかった(失礼)。おそらくその理由は田村マリウスが王道のマリウスだからかなと思います。私、マリウスって革命に参加してるけど本当はしなくても生きていける側の人間だと思うんです。いいとこのボンボンだし。これはあくまでも私の中でのマリウス像なんですが、それに一番近いのが今まで観たマリウスたちの中で田村マリウスかなって。

最初に観たということは比較対象もいないわけで、「まあ大体こんなものよね」と自分で納得しました。いくちゃんにまだ緊張が感じられて、高音がきれいに出てなかったように思いました。

次に観たのが内藤マリウス。 内藤マリウスはとにかく顔がいい!私の好みの話で申し訳ないんですが、内藤さんの素のお顔がものすごく好きです。だからパンフレットであまり良さが出ていないのが残念…… 歌唱披露の公式動画で初めて内藤さんの歌声を聴いたとき、海宝さんとよく似ていると感じたのですが、気のせいですか?でも劇場で聴くと動画ほどは似ていないようにも感じて。あと何度か行けばわかりますかね。

いくちゃんコゼットとの相性は悪くないと思いました。そもそも、恋人同士なのに、マリウスとコゼットってプリュメ街と結婚式前後しか絡みがないじゃないですか。そこに重きを置いているわけではないから仕方ないことはわかるんですが、もう少しデュエットが欲しいと思ってしまいます。いくちゃんの高音はこの日が一番よく出ていたかも。

最後に海宝マリウス。海宝さんのことは、2013年までマリウスを演じていた山崎育三郎さんの跡を継ぐマリウス役者だと勝手に思っています。 いくちゃんコゼットと海宝マリウスは大本命のコンビでした。ただ、この日はいくちゃんの調子があまりよくなかったので、心配なのとちょっと残念なのと半々くらいでした。帝劇での公演も残り少なくなってきて、疲れもたまってきていると思いますし、くれぐれも喉を(体も)壊さないように気を付けていただきたいです。

 

 

ざっくり感想を書いてきましたが、読み返すと全然客観的な感想じゃないですね。感想ってそんなものだとは思うのですが、どうしても主観少なめの方がいいのではないかとも思ってしまいます。キャストごとの感想は書けそうだったらまた別に書きます。

無事に千穐楽を迎えられますように。